2006年 06月 20日
Cliche/大貫妙子
Cliche/大貫妙子_b0082732_14574775.jpgもう25年も前の話だが、日立マクセルカセットテープのCMで 「黒のクレール」 という曲が使われていた事を覚えている方はいらっしゃるだろうか。それを歌っていたのが、シュガーベイブにも在籍していた 「ター坊」 こと大貫妙子である。
…あで? どっかに似たような出だしがあったぞ? いかんいかん、体勢立て直しぢゃ。
シュガーベイブ解散後にソロ活動を開始した彼女は、当時 「演歌のクラウン」 と称されていたクラウンレコードからアルバムをリリースする。演歌のクラウンといえど時代の流れには逆らえず、抱えていた 「かぐや姫」 が売れたのをきっかけとして若者向けのミュージシャンと契約するようになっていたのだ。なんせ、あの 「ティンパン・アレイ」 とも契約したのである。先見の明があったといわざるを得ない。しかし残念ながら堪え性がなかったため、やがてティンパンも大貫妙子も去っていくのである。嗚呼、もうちっとガンバっていたらねえ… (ちなみに山下洋輔もクラウンからアルバムを出していた時期がある。坂田&森山のトリオの頃)。
 ♪
そして、RVCへ移籍した彼女は1978年~81年にかけて、いわゆる 「ヨーロッパ三部作」 を発表する (ミニヨン、ロマンティーク、アヴァンチュール)。この三部作で新たな世界を開拓した彼女が、黒のクレールでブレイクした勢いをそのままに作ったのが今回の 「クリシェ」 だ。従来の、どちらかというとモノトーンに近い色調を持つアルバムイメージを払拭する、陰陽のメリハリがついた曲が収められていると同時に、ジャケットも明るい色調でポップな方向に振られている。
同じヨーロッパでも、北方の灰色の雲が垂れ込めているイメージから、南側の地中海や大西洋に面した明るい陽差しがさしているイメージになった…と言えば、なんとなく分かってもらえるだろうか。やはりミュージシャンにとって、ブレイクする事は大事なのだなぁ。
最後に、あの名曲 「ピーターラビットとわたし」 を収録しております故、お子様にも安心してオススメできるかと思われ…。



1991 BMGビクター BVCR-2528

①黒のクレール ②色彩都市 ③ピーターラビットとわたし ④LABYRINTH ⑤風の道 ⑥光のカーニバル ⑦つむじかぜ(tourbillon) ⑧憶ひ出(memoire) ⑨夏色の服 ⑩黒のクレール(reprise)

初出 (LP) は1982年。CDはもちろん新品で入手可能。LPで欲しい方も中古市場に結構出ていますから大丈夫。

by mogerand-island | 2006-06-20 22:15 | 音楽、映画、書籍等 | Trackback | Comments(4)
Commented by へいめんは at 2006-06-22 21:50 x
ミニヨン、ロマンティーク、アヴァンチュールは分るんですが、クリシェ(活版)って一体なに?どういうこと?
・・・でもこのアルバムは好きでしたね。
tourbillon(廻る丸太)というと、「つむじ風」と言うよりスイスの複雑時計を想像します。
姿勢差を補正する為にメカごと廻すか?そこまでする?それに価値あるの?
かつては有ったかも。どうせ買えない身のボヤキ・・・
Commented by newflame at 2006-06-23 01:22
妙子さんのアルバムは残念ながらまだ聞いたことがないのですが、シュガーベイブはいいですな〜大好きです。
「ひょうきん族」のエンディング、最高でした.....
Commented by mogerand-island at 2006-06-24 02:05
へいめんはさん、こんばんは。
活版は知っていましたが、tourbillonって 「廻る丸太」 っていうんですね。今、知りました。「12ヘー」 ぐらい押しちゃいます。
スイスの時計といえば、一昔前は精密機器の代名詞でしたよね。
姿勢差を補正する為にメカごと廻す…って、一体どんなんですか? 想像つきましぇん。
Commented by mogerand-island at 2006-06-24 02:11
スナメリさん、こんばんは。
是非、機会があったら大貫さんもいろいろ聴いてみてください。
このアルバムは、彼女の作品の中でも傑作だと思います。
他の作品やその他諸々については、次のページを参考にしてください。
http://www.toshiba-emi.co.jp/onuki/


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