かの
エルヴィス・プレスリーが 「マイ・フェイバリットな白人女性ポピュラー・シンガーの一人」 と称したケイ・スターのアルバムである。
先日紹介した 「
Beauty and the Beard」 等と一緒にBMGから 「プライム・ワン・シリーズ」 として発売されたうちの1枚だが、オリジナルは1959年の発表となる。ちょうど彼女は30代半ば頃で、いわゆる脂ののった時期の作品の一つではないだろうか。
この手のアルバムはジャズとポピュラーの融合点付近にあるものが多く、我々リスナーの側はもちろん、評論家やレコード会社サイドに於いても 「はてさて、どっちにしようかな~?」 みたいなところがある。そんなもん別にどーでもええやんと言えば確かにそうなのだが、ジャズ・シンガーに分類されている人が歌うポピュラー・ソング、ポピュラー・シンガーに分類されている人が歌うジャズ・ソング…しかもアメリカはその辺りが曖昧というか
テイク・イット・イージーなので、気になりだすと
ヤメラレナイトマラナイカッパエビセン♪状態になってしまうのである。
嗚呼…日本人特有の、重箱の隅をやたらと突つきたくなるこの根性が、晴れ時々疎ましい。
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さて、じゃあこのアルバムはどっちなんよ? と問われたら、とりあえず 「アメリカ基準のジャズ・シンガーが歌っているジャズのアルバム」 と答える。少なくともこのアルバムに於いては、ケイ・スターはジャズ・シンガーと言ってもよいだろう。しかも、インディアンの血が入っているところなぞは
ジェーン・フォンダと同じでヨロシイ事ではないか。美人の証しである。
ちなみに彼女は、
ホーギー・カーマイケルの曲を得意としているらしい。このアルバムにも2曲収録されている (②と⑥)。また、ドリス・デイが歌っていた④、ビリー・ホリデイの歌でも有名な⑩、アービング・バーリンの曲⑪など、選曲もGOODだ。
1997 BMGジャパン BVCJ-7468
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①DRY BONES ②ROCKIN' CHAIR ③I GOTTA GET AWAY FROM YOU ④TILL WE MEET AGAIN ⑤TRUE BLUE LOU ⑥LAZY BONES ⑦LONESOME ROAD ⑧THE GLORY OF LOVE ⑨I'M CONFESSIN' ⑩LOVER MAN ⑪HOW DEEP IS THE OCEAN ⑫DO I WORRY
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市中在庫は、まだあるようです。